塩ビパイプ(VPパイプ・VPパイプ)とは
硬質の塩化ビニル樹脂でできた配管資材です。鉄管と違い、抵抗が少ないため流体の流量が多く、腐食に強いため、通気、給排水用の管として広く用いられています。
正式名称は「硬質ポリ塩化ビニル管」で、通称「塩ビパイプ」、「塩ビ管」と呼ばれています。
塩ビ管には、大きく分けてVU管とVP管があります。
薄肉管のVU管は、主に排水用途に使用されています。埋設では自然流下用途「下水用・土木用・排水用」としてだけでなく、低層住宅の排水系統にも使用されています。
厚肉管のVP管は一般的には圧力用「上農水道埋設用・建築給水用」に使用されており、集合住宅の排水・通気配管にも使用します。
塩ビパイプは軽くて扱いやすく、さまざまな用途で手軽に利用ができますが、目的に合わせて複数の種類に分かれています。
塩ビパイプ(VPパイプ・VPパイプ)の種類
塩ビ管は、大きく分けてVP管(厚肉管)とVU管(薄肉管)に分けることができます。VU管はVP管と比べて薄く、VP管は厚くなって
おり、利用する建造物に合わせて選びます。
また、VP管は耐火性のものや耐衝撃性を向上させたものがあり、用途別に選ぶことができます。



材質:耐火性硬質ポリ塩化ビニル
集合住宅や店舗等の建物内の雑排水、汚水、雨水排水などの排水設備用。
耐火被覆処理などを施さずに、プラスチック管のみで火災時の延焼を防ぎます。


材質:耐熱性硬質ポリ塩化ビニル(C-PVC)
給湯、冷・暖房配管用として耐熱性を向上させた塩ビ管。
金属管と比較し、錆びや腐食による水質悪化や電食、漏電事故などの心配がありません。
塩ビパイプ(VPパイプ・VPパイプ)の材質
塩ビ管・塩ビパイプの素材であるポリ塩化ビニルは、PVC(polyvinyl chloride)と呼ばれる合成樹脂(プラスチック)です。
塩化ビニール、ビニールなどと呼ばれています。
ポリ塩化ビニルのメリット |
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〇耐水性がある 〇耐酸性がある 〇耐アルカリ性である 〇耐溶剤性がある 〇燃えにくい 〇電気絶縁性がある
〇気候変動に強い 〇柔軟性がある 〇劣化が少ない 〇低価格である |
ポリ塩化ビニルのメリット |
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〇有機溶剤に弱い 〇耐熱性が弱い 〇耐衝撃性が弱い
※塩ビ管・塩ビパイプは流体を輸送することが目的のため、構造物として重さに耐えられる素材ではありません。 |
塩ビパイプ(VPパイプ・VPパイプ)の性能
記号 | 名称 | 耐圧力 | 耐熱温度 |
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VP
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硬質ポリ塩化ビニル管
|
0-1.0MPa
|
60℃
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VU
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硬質ポリ塩化ビニル管
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0-0.8MPa
|
60℃
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VM
|
硬質ポリ塩化ビニル管
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0-0.6MPa
|
60℃
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HIVP
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耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管
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0-1.0MPa
|
50℃
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HT
|
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管
|
0-1.0MPa
|
90℃
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硬質塩化ビニル管に関する規格
日本工業規格JISを基本とし、塩化ビニル管・継手教会のAS、日本水道協会のJWWAが補完した上で規格を規定しています。
日本工業規格 | |
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JIS K6741
|
硬質ポリ塩化ビニル管
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JIS K6742
|
水道用硬質ポリ塩化ビニル管
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塩化ビニル管・継手教会 | |
AS20
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水道用硬質ポリ塩化ビニル管
|
AS33
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水道用ゴム輪形硬質ポリ塩化ビニル管(HIVP,VP)
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AS35
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水道用硬質ポリ塩化ビニル管のダクタイル鋳鉄異形管
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日本水道協会 | |
JWWA K129
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水道用ゴム輪形硬質ポリ塩化ビニル管(HIVP,VP)
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JWWA K131
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水道用硬質ポリ塩化ビニル管のダクタイル鋳鉄異形管
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